コラム

小さな会社の経営者様にむけて
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強みの見つけ方(2)

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こんにちは。神奈川でIT相談ならホットソウルにお任せください! 小さな会社のためのデジタル戦略室、株式会社ホットソウル代表・若杉です。

前回に続き、改めて考えると悩ましい自社の強みについて、私なりの見つけ方を紹介させて頂きます。何かのご参考になれば幸いです。

前回記事はこちら

振り返り

前回、まずはじめの一歩として、貴社にまつわるありとあらゆる事実を書き出してみることをご紹介しました。

今回は、その書き出した事実をどのように取捨選択し、強みとして設定するのか、その方法をお話しようと思います。

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3つの観点

集めた事実を取捨選択するときは、以下の3つの観点に従って行うとやりやすいです。

(1)得意なことか?

(2)高く評価されているか?

(3)やりたいことか?

得意なことか?

当たり前過ぎて怒られてしまいそうですが、不得意なことは「強み」にはなりえません。まずは、得意なことである必要があります。

このときに、1つ注意点があります。

得意・不得意というと、他社との比較で考えてしまいがちかもしれません。

他社と比較すると「うちは業界でいえば平均点くらいだしなぁ」といった具合に、ついつい変に謙遜してしまい、「得意とまでは言えない」と考えてしまう経営者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでの観点は、あくまで自社の活動の中で考えてみて得意なことなのか、ということになります。

例えば弊社の例でいえば、コンピューターのプログラムを書くことは得意ですが、経理や税金の計算は不得意です。したがって、経理や税務は強みにはなりません。

一方、弊社のIT技術力をソフトウェア産業全体の中で比較すると、決して特別な存在とはいえず平均的なレベルかと思います。

ですが、ITが苦手という経営者様にとっては、弊社の持つ知識や長年の経験は、簡単には取得できない経営資産に相当します。

このように、もしその業界内では平均的な能力だったとしても、その能力をほとんど持ち合わせていない相手にとっては、お金を出してでも買う価値があります。

なので、取引は十分成立します。

高く評価されているか?

最初の観点「得意なことか?」はあくまで自社基準で選べばよい、というお話をしました。

これが趣味の話であればそれで完結するのですが、事業となりますと残念ながらそうはいきません。

お金を頂くに足る活動なのかどうか、という点と向き合うことになります。

この観点は、一見すると前回お話した「強みの設定に実績は必要ない」ということと矛盾しているようですが、そうではありません。

例えば、税理士事務所の例で考えてみたいと思います。

A税理士事務所は、①税務書類の作成、②税務申告の代理、③税務相談、の3業務のうち③に関してはまだまだ顧客数が少なく未開拓だったとします。

ですが、①②の顧客から常日頃「質問したことにすぐ答えてくれる」「いつも的確な回答をもらえるので安心」「専門用語も分かりやすく解説してくれる」といったような評価を頂いていたとすると、これらの評価は ③税務相談 に関してもアピールできる事実となるはずです。

このように、自社のなかで得意なことの中から、相手から高く評価されていることを選択していきます。

これにより「単なる事実」が「事業の強みとしてアピールできる事実」になるのです。

やりたいことか?

最後の観点は、ズバリ「それはやりたい仕事ですか?」ということです。

どんなに得意で高評価を頂けることであっても、嫌々続けては大きな発展は望めないでしょうし、むしろ会社全体が疲弊してく恐れもあります。

貴社のビジョンにあった、やりがいの感じられることを選択しましょう。

つまり、強みは目的に合わせて設定する、ということになります。

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まとめ

2回にわたり、私自身が悩んできた自社の強みの見つけ方について、現時点での考えを述べさせていただきました。

ざっくり言ってしまうと、強み自体はかなり自社本位で決めて良いのだと思います。

それを強みとして事業活動を続けていくことで、より強化もされていきます。

そして、身も蓋もないことを言ってしまうと、貴社が発信する強みをどのように受け取るかは、結局相手次第、市場次第です。

ただし、市場の評価というものは、ある程度予測はつくにしても、実際のところはやってみないと誰にも分からない、というのが真実です。

なので、まずは自社本位で強みを「設定」をした後、顧客候補や市場の反応を見ながら少しずつ改良していくのがベストなやり方なのではないでしょうか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

次回コラムもお楽しみに!

この記事を書いた人

この記事を書いた人

若杉 廣

株式会社ホットソウル代表取締役

やさしいDX推進協議会主宰

神奈川県中小企業診断協会会員・中小企業診断士

趣味はブラジリアン柔術、手抜き家庭菜園、ご近所直売所めぐり。

https://note.com/chokubai_map/


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