コラム

小さな会社の経営者様にむけて
ちょっと役に立つ、
ちょっと面白い、
そんなお話をご紹介します。

人材の育成

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はじめまして。

今回のコラムを担当します、株式会社アクティスの田中と申します。

横浜の保険代理店で営業マンをしています。

テーマは「人材の育成」です。

堅苦しいテーマのようですが、気楽にお付き合い頂ければ幸いです。

私は現在、2人の子どもを育てており、それぞれ小学校と中学校の最高学年。

先日、2人同時期にそれぞれ修学旅行に行きました。

準備の段階で、いざ荷物をバッグに詰めようという場面でのこと。

中3の娘は、中々パッキングをせずにずっとメモをしているのです。

覗き見ると、一日目に着るTシャツをどうするか、海で濡れた時にどれに着替えるか、はたまた髪を結ぶゴムが切れたらどうしようか、など準備の準備に余念が無い様子。

そして小6の息子を見ると、まず持ち物として許可されたトランプを大事そうに詰めた後は、着替えもパジャマも歯ブラシさえも無造作に突っ込み始めました。

男女の差があれど、同じように育てた2人でここまで違いがあるんだ、とびっくりしました。

(この様に書くと、子どもの自主性に任せて見守っていると嬉しい勘違いが生まれそうですが、実際は「早くしなさい!」「こんな入れ方してどうするの!」と大騒ぎです)

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長い前置きになりましたが、読んでくださってる方は従業員さんを抱えた経営者様が多いと思います。

同じ時期に採用した従業員さんに同じ様に指示を出しても、進捗や仕上がりに大きな差が出ることはありませんか。

営業マンとして、数多くの経営者様とお話するとどんな業種でもお悩みは似ています。

・お金

・後継者

そして

・人材育成

です。

例えば社長が「この商品を明日までに取引先に届けて欲しい」という指示を従業員さんにしたとします。

A従業員はダンボールや緩衝材を買いに行き、自分で郵便局に行きます。

B従業員は、佐川急便に電話をして緩衝材とダンボールを持ってきてもらい、そのまま発送します。

C従業員は取引先に電話をし、在社時間に自ら持参します。

どの従業員さんも、社長の指示を完璧に達成しました。 ですが、社長はCさんを褒めました。

何故でしょうか。

社長にはこんな思いがありました。

「この(壊れやすい)商品を明日までに(従業員の手で)取引先に届け(きちんと受け取ったことを確認し)て欲しい」

社長は、この( )を言わなかったのです。

何故なら、この商品が壊れやすいのは従業員なら分かるはず、取引先が確認しないと困る事は分かるはず、という思い込みがあったのです。

もし、この( )の中が違ったらどうでしょう。

「この商品を(なるべく安く)取引先に届けて欲しい」のなら、A従業員が褒められました。

「この商品を(手間をかけずに)取引先に届けて欲しい」のであれば、B従業員が褒められました。

( )の中は、言わなければ伝わりません。

優秀で天才肌の経営者は、この( )を言わない方が多いのが事実です。

フィギュアスケートの天才メダリスト、浅田真央さんがトリプルアクセルの飛び方をインタビューされた時、「えいっ!と飛びます」と答えたのは有名ですが、経営者は説明しなくても分かるという理解力のレベルが高い方が多いのです。

では、全部を説明するのが正しいのか、それは否です。

先の、取引先への商品の届け方を例に出すと、C従業員を褒めた社長も、A従業員のやり方は経費削減ですし、B従業員の業務効率化も新たな気付きになった事と思います。

何より、次からはどの( )を伝えるべきか考えて指示を出すようになるでしょう。 どの方法も、取引先に無事届くのですから。

ホンダの創設者、本田宗一郎さんは採用時に面接官が手に追えないと思った人材を採用していました。

理由は思い通りに動く人が集まっても、今以上の発展がないからとのこと。

人材育成とは、思い通りに動く人間を育てるのではなく、一緒に成長していく事が一つの成功かもしれません。

考えの違う人たちが同じ目標に向かって成長して生み出す結果、ワクワクしませんか?

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話は戻りますが、試行錯誤で修学旅行の準備をした我が子たちは、準備の方法は違えど感想は全く同じでした。

「楽しかったーー!!!」

楽しむ事を目標にして得られた、最高の結果でした。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

田中 いつか

株式会社アクティス マネージャー

横浜市を拠点に、保険を通じて中小企業ののリスク対策と

福利厚生の充実の取り組みに力を入れている。

主に建設業の損害保険を得意としている。

プライベートでは大のバスケ好き。


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